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2025/06/25

マリア様に眼潰し2

入学式も無事終わり、今は教室にいる。
私の振り分けられたクラスは1年桃組…って桃組って幼稚園かよ!!何ていうツッコミはクラス分け表の前でしたさ。
小声で呟いただけだったので志摩子にしか聞こえなかったと思うけど…志摩子には苦笑された。
その志摩子も同じクラスで凄く心強く感じた、私にとって此処はアウェイ…中等部からの持ち上がりばかりの生徒の中、少数派の高校から入学者で少なからず視線を集めていて…私は見世物じゃねぇ!!と叫びたくなった。
 
 
「じゃあ…自己紹介をしてもらいましょうか」
 
担任教師のその言葉で出席番号順に自己紹介が始まる。
私の姓は『風見』なので割と早く順番が廻ってくる。
先に自己紹介した人達に倣い、名前と趣味位でいいかと考えていると。
 
「では次の人どうぞ」
 
前の席の生徒が自己紹介を終え、席に着く…私の番だ。
 
「風見 夕貴です。趣味は祖父に習っている剣術、体を動かすのが好きです。後…高校からリリアンに入学した為、作法などに疎いので気になった事があれば言ってくれると有り難いです」
 
そう言って軽く頭を下げて自己紹介終了、席に着いて私は小さく溜息を吐いた…これだけの事だけど、変に疲れる。
私はボーっと前を向き、後に続く自己紹介を聞いていた。
 
 
 
志摩子side
 
席を立ち自己紹介をする夕貴を眺める。
高い身長に、黒いセミロングの髪を無造作にポニーテールにしている後姿。
少し鋭く見えてしまう切れ長の目、でも見た目に反して性格は優しい彼女…それが私の幼馴染である風見 夕貴。
物心付く前からの幼馴染で小学校を卒業するまでずっと一緒だった…私がリリアンに入学するまでは…。
リリアンに入りたかったのは事実だけど、本当は夕貴とも一緒に学校へ通いたかった。
でも夕貴にリリアンに一緒に通ってなんて勝手な事言えなくて…夕貴は公立の中学校に進学し、私達は別々の道を歩み始めた…でも再び私達の道は交差し共にいる事が出来る様になった。
 
こんな事を夕貴に言ったら怒られてしまうかしら?貴女が源次郎さんに負けてくれて良かったって…
 
 
志摩子side…end
 
 
 
後に続いた生徒達の自己紹介が終わる、勿論志摩子も何の問題も無く自己紹介を終えている。
それから程無くして解散となった。
 
「う~っ…はぁ…」
 
伸びをして、この数時間で凝ってしまった様に感じる体を伸ばす。
そんな事をしていると、後ろから肩に手を置かれた。
 
「疲れたの夕貴?」
 
こんなに親しげに私に触れて来るのは、志摩子しかいない…そして振り返る前に、志摩子が正面にやって来た
 
「うん、気疲れしたよ…今までと環境が違い過ぎるからさ」
 
「ふふ…夕貴ならすぐ慣れるわ」
 
「そうかね?う~ん…考え込んでも仕方ないし…とりあえず帰るかい?」
 
志摩子の手には鞄があり、帰る準備は出来てる様子。
 
「ん…少し校内を廻ってみない?夕貴はリリアンが初めてだし、何処に何があるか知っていた方がいいと思うのだけど…」
 
どう?ってな感じで首を横に傾げ聞いてくる志摩子。
 
「そうだなー…んじゃ案内頼んでいい?」
 
「ええ、勿論」
 
私がそう聞くと、志摩子はふわりとした笑顔を浮かべ頷いた。
 
 
二人で校内を廻る、校舎内部にある移動教科の教室、外にある施設、等々を二人で雑談しながら廻っていった。
 
「うわぁ…お聖堂とか温室とか…どんだけお嬢様学校なんだよ」
 
苦笑交じりに言う、まあお聖堂はミッション系の学校だからか?
 
「ふふ、私はあの銀杏並木が嬉しいわ」
 
「あぁ…だろうなぁ」
 
この子は銀杏が大好きだから…ちなみに私は好きでも嫌いでもない。
 
「ん?あそこの桜奇麗だなー…見に行ってみない?」
 
「本当ね…ええ」
 
今の時期、満開になっている桜…風が吹けば舞い散る花弁に、吸い寄せられる様に二人で歩いて行く。
 
木の少し手前で立ち止まった私、志摩子はそのまま桜の花弁が舞い踊っている木の下まで進んで行き、桜を見上げている。
 
その光景は…何処か幻想的で…凄く奇麗だった。
 
 
志摩子が桜を見上げている姿を眺めていると、ガサっと何かを踏みしめた様な物音がしたので私はその物音がした方に目を向ける。
そこには…何処か日本人離れした顔立ちの生徒がいた、その時少し強い風が吹き視界を桜の花弁が埋め尽くす。
暫くすると風が治まり、改めて彼女を見ると視線は志摩子に固定されている、おそらく私は彼女の眼中に入っていないっぽい…お?志摩子が彼女に気が付いた…
 
「あ…」
 
どちらが呟いたか分からない声。
 
「あなたは…」
 
現れた彼女はそう呟くが、そこで言葉が途切れる。
 
「失礼いたしました」
 
そう言って志摩子がいきなり駆け出す。
私は事の展開について行けなくて、志摩子に置いてけぼりにされた。
例の彼女に目を向けると、桜の幹にもたれてどこかホッとした様な
表情をしている。
 
「大丈夫、人間の女の子だった」
 
そう呟くのを聞いて…つい
 
「そりゃ当たり前でしょ」
 
ツッコミを入れてしてしまった。
 

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2010/03/07 二次創作…マリア様に眼潰し(連載中) Trackback() Comment(0)

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